今月の本棚

A.Einsteinでさえ、「理論は証明されず、誤りだけが証明された」と溜息した。
多様と活性する『明暗』論は、漱石研究の中でも、殊に混迷を呈している。
うんうん人間を押し続けた漱石の、その巨大な『明暗』に、論と実証から迫る、漱石研究への確かな布石である。
『明暗』論14篇、『明暗』第二部・清子のいる風景(湯河原)の現地調査4篇を収録。
『明暗』研究文献目録選を付す。<本の帯から>
<目次>
『明暗』と湯河原
『明暗』と湯河原 中村 美子
『明暗』と湯河原温泉 土屋 知子
『明暗』と天野屋 宮薗 美佳
『明暗』の旅・その交通系 荒井真理亜
『明暗』論
1 『明暗』第一部を中心に
『明暗』の知をめぐってーポアンカレ・寺田寅彦 小橋 孝子
小説言語と漢文脈ー『明暗』における士大夫的教養の凋落と漢語の機能ー 北川扶生子
「生き方のスタイル・型」提示メディアとしての小説ー「明暗」をめぐってー 宮薗 美佳 「明暗」論ー身体と空間ー 笹田 和子
「心の眼」ー『明暗』における心像描写とThe Golden Bowlの受容ー 永田 綾
『明暗』の構造と語り手の場所 吉江 孝美
『明暗』における作者の視座ー〈「私」のない態度〉の実践ー 中村 美子
「明暗』一面ー津田とお延ー 仲 秀和
三人の女ーお延・お秀・吉川夫人ー 玉井 敬之
2 『明暗』第二部を中心に
漱石文学と「鏡」の表象ー「吾輩は猫である」から「明暗」までー 木村 功
「清子」考 西川 正子
夏目漱石「明暗』論―清子らしさとは何か?ー 吉川 仁子
津田の「夢」―清子との邂逅ー 田中 邦夫
『明暗』論の前提―総論にかえてー 鳥井 正晴
3 『明暗』研究文献目録 選 村田 好哉
「近代部会」のこと、「清子のいる風景」 鳥井 正晴
「研究機関」への謝辞 鳥井 正晴
執筆者一覧
『明暗』論者別索引 近代部会 編

