韓国語訳「蟹工船」の表紙(インターネット書店 ALADDINから)

韓国語版「蟹工船」が8月18日訳者梁喜辰(ヤンヒジン)によってムンパラン(出版社)から刊行された。「聯合ニュース」「釜山日報」「OhMyNews」などの韓国のマスコミももうこの事実を取り上げている。
「釜山日報」には「(翻訳作業をしている間)小林多喜二は私に無言で問い詰めたりした。あなたはだれだと。そのたびに知れない恥ずかしさに全身の血が熱くなってきた」いう訳者の言葉も載っていて、目を引く。
やはり訳者は全羅南道出身。フロフィールには日本の大学院文学研究科博士課程で近代文学を専攻している大学院生で、貧しい人らと一緒に分かち合う文学の世界を夢見ているというふうに紹介されている。韓国の労働者農民や非正規職問題などを念頭においての作業だっただろうか。
訳者のブログには次のように書いてある。
去る6月韓国の市民らのキャンドルが漆黒のような暗い光化門を恍惚として見とれるほど照らしていたとき、私はハンギョレ新聞の東京特派員キムドヒョン記者の記事を見た出版社側の緊急依頼で小林多喜二の「蟹工船」を翻訳していました。
私は翻訳しながら、韓国の市民らがなぜキャンドルを手に持ったか、そして同じ時期に日本のワーキングプアやフリーターと呼ばれる若者らがなぜ小林多喜二の「蟹工船」に熱狂しているかについて考えてみました。
そのような考えが今度の韓国語版「蟹工船」刊行に拍車を掛ける原動力となったに違いない。
本の表紙には「いまなぜ小林多喜二か。88万ウオンの世代、非正規職、両極化(格差社会)、ワーキングプア…。もしかするとこの現象が蟹工船ではないか。30万人の日本読者らが再発見した話題の小説」と刻まれている。