かつて「ホタル」という映画があった。特攻隊員の人間性を描いた映画だ。
この映画は日本では最初、勇ましい日本映画として右翼に歓迎されたが、
主人公が朝鮮人であること、そしてじっくり見ると朝鮮人特攻隊員の悲しみ
を描いていることがわかり、後に右翼が反日映画として騒ぎ立てた。
このたび女優の黒田福美さんが、この朝鮮人特攻隊員の祈念碑を作ろうとし
たが、韓国側の反発に作ることが出来なかったという。
黒田福美さんは韓国通で有名な女優であり、もちろん韓国語もペラペラだ。
日本のワンコリアフェスティバルにも協力し、良心的な人物に見える。
だがどのような意図で、この祈念碑を作ろうとしたのか?
まずその意図が知りたいところだ。
韓国内の反発については非常によくわかる。
光復会だけでなく、韓国内の左翼からも反発があったという。
日帝に協力した裏切り者に他ならないからだ。
この問題に関して、日本人として出来ることは何か?
それはまず卓庚鉉さんに対して、謝罪することであろう。
日本軍国主義に協力させるために洗脳し、命まで差し出すように仕向けたからだ。
そして次にしなければならないことは、日本帝国主義を断罪することであろう。
日帝は、アジア人民の敵であるばかりか、日本人自身の敵でもあるからだ。
日帝を批判する気持ちがどの程度黒田さんにあったのだろうか。
それによってこの碑の意味が全く違ってくる。
靖国神社には日本軍に協力し命を落とした朝鮮人、台湾人も奉られている。
それは顕彰であって、謝罪ではない。
「死んでくれてありがとう」という顕彰の意味なのだ。
だから靖国神社を解体し、彼らを解放してやらねばならないのだ。
同じことが今回の問題についても言えるのではないか。
まず「殺してしまって、ごめんなさい」と卓庚鉉さんに謝らねばならない。
そして次に日本人として、日帝に対する憎悪の炎を燃やさなければならない。
そしてその立場に立って始めて、本当に卓庚鉉さんに謝罪することも出来る。
そうしてこそ韓国人の理解も得られるのではないか。
黒田さんは、沖縄にある慰霊碑のようなものを作ろうとしていたようだ。
しかし沖縄の慰霊碑も日本帝国主義の責任をあいまいにしている。
日帝の犯罪を銘記していないのだ。
日本人は何でも責任逃れがお得意だ。
ものごとの本質を示すことが重要だ。
黒田さんはこのことがわかっていなかったのではないか。
黒田さんはちょっと甘いように思う。
朝日新聞(5月11日) から引用しておく。
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朝鮮人特攻隊員の祈念碑、撤去へ 「親日」に韓国で反発
【泗川(韓国南部)=箱田哲也】日本軍の特攻隊員として戦死した朝鮮人青年を
慰霊するため、韓国通の女優、黒田福美さんらが韓国・泗川市で10日に予定して
いた祈念碑の除幕式が、直前に中止になった。左右両派の団体が「日本のために死
んだ者を称賛できない」などと反発。同市は祈念碑をいったん撤去して保管する方
針だ。
黒田さんは、戦争の犠牲になった朝鮮の若者の名前を故郷に刻もうと日韓を奔走。
特攻隊員として沖縄周辺の海で24歳で戦死した卓庚鉉(タク・キョンヒョン)(日
本名・光山文博)さんがいたことがわかった。卓さんの地元、泗川市が3千坪の土
地を提供。5メートルの石碑も完成し、10日午前に除幕式を開くことが決まった。
だが、除幕式が近づくと、植民地時代の独立運動にかかわった人々らでつくる右
派の光復会が「韓国人であっても特攻隊員は天皇に忠誠を誓った人物」と祈念碑へ
の反対を表明。韓国政府の依頼で、植民地時代の「親日人名辞典」のリスト作成を
進める民族問題研究所も「侵略戦争の犠牲者だが、連合軍からみれば加害者でもあ
る」と除幕式の延期を主張した。左派系団体からも同様の声が出た。
泗川市は混乱を回避するため、市長の式典欠席を決定。9日、黒田さんらに式典
の中止を要請するとともに謝罪したという。日本からも約30人がツアーを組んで
参加し、除幕式に合わせてシンポジウムを開く予定だったが中止に。10日昼には
黒田さんや参加者らが現場に向かったものの、光復会のメンバーらに道を阻まれ、
石碑に近づくことすらできなかった。
黒田さんは、国籍にかかわらず沖縄戦の全犠牲者の名を刻む「平和の礎」のよう
な施設を目指していた。「創氏改名で日本人とされて死んでいった人たちの魂が帰れ
る場所を作りたい、という一心でやってきた。今回の問題の答えは、後に韓国社会
自身が出してくれると信じている」